1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 医師会館を物資の中継拠点に、熊本市医師会

医師会館を物資の中継拠点に、熊本市医師会

スペシャル企画 2016年4月27日 (水)  高橋直純(m3.com編集部)

熊本地震の発災直後から、会員医療機関の安否確認や物資の確保などに奔走した熊本市医師会。熊本市医師会理事の宮本大典氏と事務局の奥村宣文氏は4月20日に行ったm3.comの取材に対し、「臨戦態勢になったのは初めて。走りながらやってきたが何とか形になってきた」と答えた。東日本大震災で医療界が得た教訓も支えになっていた。 熊本市医師会に集められた物資 震災6日目に当たる4月20日、熊本市医師会会館には断続的に市内の医療機関が水や食料、衛生材料などの物資を取りに来ていた。市医師会が、医療機関向けの物流拠点の役割を担っていた。マスメディアでも多く報じられていたように県や市には支援物資が集まっていたが、行政職員が足りず、不慣れなことから、なかなか被災者に物資は届かない状況だった。奥村氏は「市もパニック状況で、16日の本震後は行政に何をお願いしても聞いてもらえない状況になった」と振り返る。 震災後は医療機関に付近の住民が避難してくることが多く、「入院施設を持たない診療所でも、多かれ少なかれ外来スペースを開放していた」(宮本氏)。断水し、物流が滞る中で、備蓄が尽きてしまう医療機関も多かった。行政と交渉す...