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人材育成で「外科医の新たな価値創出を」、澤会頭

レポート 2016年5月6日 (金)  成相通子(m3.com編集部)

第116回日本外科学会定期学術集会で4月15日、会頭を務めた大阪大学医学部長の澤芳樹氏が「次世代へ繋ぐ―外科学の価値の創造―」と題して会頭講演し、医療技術の進歩で外科学を取り巻く環境が大きく変わる中、外科医の希望者減少が外科学会の大きな課題になっていると指摘し、人材育成によって「新しい外科学の価値を創造すること」が重要だと訴えた。 澤氏は「最適な人数、最適な技術、最適な労働環境を得ることが、未来の外科学のあるべき姿。これによって外科医が増える、もしくは適正の数で活躍できる。数が減るのはもしかしたら適正な方向に向いているかもしれない。もっと労働環境を改善することで、外科医の価値を増すことが最も重要だ」と述べ、必ずしも現在の段階で外科志望者数を増やすことが最善の目標ではないと指摘した。 会頭就任が決まった3年前から「外科学の価値の創造」について検討してきた。 澤氏の会頭講演では、冒頭に大阪大学の原点になった適塾の開設者で、種痘法の普及に尽力したとして緒方洪庵を「人材育成の成功例」として紹介。大阪大学医学部外科学講座の歴史と功績を振り返った。澤氏の心臓血管外科教室では現在、TAVIやステント...