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「通路に棺が山積み」「寒くて眠れない」

レポート 2016年5月5日 (木)  成相通子(m3.com編集部)

m3.com意識調査で、災害派遣医療についてお伺いしました(『災害派遣、医師の参加が低調』を参照)。実際に災害医療に携わった方の「印象的なエピソード」をご紹介します。今回は阪神淡路大震災にまつわるエピソードです。 【阪神淡路大震災にて】 ・阪神淡路大震災。灘保健所の通路・階段に白木の棺が山積みになっているのを見て寒気がした。六甲山の冠雪を背に、校庭で朝夕の炊き出しに静かに並ぶ行列に感動。表から見て3階建て、裏に回ると4階建ての傾いたマンションで、1階部分の狭い隙間にひしゃげた車が埋もれているのを見て、言葉を失った。瓦礫の中から引っ張られて救出された老婆が多発骨折で泣いていた。ゴム引きの体育館が汗?で濡れてすべった。配給の衣類を8枚も着込んでいる老人。パック飲料をブロックのように積み上げて家族のテリトリーを守っている人々。どれも鮮明に覚えている。【開業医】 ・阪神淡路大震災。当時某県の地方公務員身分だったので県職員の撤収班として派遣された。校庭に停めた県の健診バスが我々のベースでした。そこで仕事と寝泊り。日中多忙を極めるので、仲間だけになる夜は、昼間の暗い気持ちを払拭するためか、毎晩酒盛...