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統計専門家「元データでは有意差が確認できず」

レポート 2016年5月11日 (水)  高橋直純(m3.com編集部)

ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員とノバ社に対する第22回公判が、5月10日に東京地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれ、検察側の依頼でKHS(Kyoto HEART Study)の統計解析を検証をした公益財団法人先端医療振興財団・臨床研究情報センター(TRI、神戸市中央区)の男性研究者への証人尋問が行われた。Web入力データを解析した結果、バルサルタン(ディオバン)群と非バルサルタン(非ARB)群では、主要評価イベントの発症で 有意差が確認できなかったことを説明した。 男性はTRIの医学統計部に所属し、外部の臨床研究を統計面で支援する業務を行っている。一連の降圧剤論文問題では、京都府立医大、千葉大、名古屋大からの依頼で、学内調査にも協力している。 男性が検察の依頼で作成し、証拠として提出された報告書は、Web入力データのイベント報告を基に、KHS主論文に沿うように解析。解析結果は「KHS主論文とは異なり、主要評価イベント(KHSでは脳卒中や心筋梗塞、狭心症などを合算した...