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北米現地レポート

オピニオン 2016年5月24日 (火)  五味さやか

日本で調剤薬局、ドラッグストアでの薬剤師勤務を経て、その後カナダの薬局でテクニシャンとして経験を積んだ五味さやかさん。その経験をもとに、現在お住まいのカナダ・ブリティッシュコロンビア州から、北米の薬剤師・テクニシャン事情をレポートしていただきます。 五味さんのブログ http://w-oasis.co.jp/globalpharmacist/contact/ 薬剤師の職能拡大が軽症患者の病院受診抑制に貢献 カナダの薬剤師の職能拡大については前回の記事(「カナダの薬剤師――変化しつつある薬剤師の役割」)で紹介しましたが、今回はその職能の一つ「軽症疾患に対する処方」サービスを詳しく紹介します。 このサービスは、日本で一定の条件のもとで販売が認められている「処方箋医薬品以外の医療用医薬品の使用」に類似する内容ではありますが、カナダの場合は「処方箋医薬品を使用できる」という点で異なります。 ■職能拡大の背景と医療費削減効果 カナダの薬剤師の職能がなぜこれほど拡大してきたのか。それには以前、一部の州で薬剤師に緊急避妊薬の処方を許可した際、女性の避妊に明らかな成果が出たという背景があります。さらに...