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虚偽報告の医師、「医師が足りなくなる不安」が動機

レポート 2016年5月26日 (木)  高橋直純(m3.com編集部)

ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員とノバ社に対する第26回公判が、5月25日に東京地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれ、当時滋賀県内の病院に勤務していたKHS(Kyoto HEART Study)参加医師で、故意に虚偽の報告をしたと供述していた男性(以下、男性医師C)が証人として出廷し、「2004年度に医師臨床研修制度が始まるなどし、医師が足りなくなる不安が常にあった。勤務先の病院への思いが強く、貢献した病院は、(医局から)人事の優遇が得られると思った」などと話した。 前日に続き、白橋伸雄被告人への検察側被告人質問も行われ、解析用データの改ざんやエンドポイント委員会について追及した。 「供述調書、訂正しない」 男性医師Cの検察官作成の供述調書は2月15日の公判で、弁護側により読み上げられている。人事上の優遇を得るために、自発的にバルサルタン(ディオバン)有利になるように虚偽の報告をしたと証言。「医師として最低の行為を行った」と反省の弁を述べた内容だった(『「KHS参加医...