『医者のたまご、世界を転がる。』上梓のわけ - 中島侑子氏◆Vol.1
レポート
2016年6月1日 (水)
成相通子(m3.com編集部)
『医者のたまご、世界を転がる。』を上梓した中島侑子氏。 「私、就職しないんです。世界一周するので」 ほとんどの2年目研修医は、次の就職先が決まっている12月。なかなか就職先を決めない研修医に心配して声を掛けた上級医はさぞかし驚いたに違いない。 現在、救急医として長野県中野市のJA北信総合病院に勤める中島侑子氏は、自身の世界一周の旅をまとめた著書『医者のたまご、世界を転がる。』(ポプラ社)をこの5月に上梓した。旅立つ時、「全員に反対されると思っていたので、応援してくれる人が多くて、びっくりした」と中島氏は振り返る。 「絶対に行く」と言い続けて 中島氏が世界一周の旅を決意したのは、山口大学医学部6年生の時。タイに旅行中、世界を放浪する旅人たちに出会い、憧れた。「知らない世界を残したまま、医師としての道を歩んでもいいのか」。休学して旅に出たかったが、両親の強い反対に遭った。旅行費を親に頼らざるを得ない学生時代には無理だと悟った。「研修医を終了したら、絶対に行く」。 3年越しの決意は揺るがなかった。両親も何とか受け入れてくれ、同僚や上級医は驚きながらも「うらやましい」「頑張って」とエールを送っ...
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