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化学療法に用いた針は、ジップロックに入れるべきか

オピニオン 2016年5月27日 (金)  岩田健太郎(神戸大学大学院医学研究科・微生物感染症学講座感染治療学分野教授)

お恥ずかしいことで、化学療法での医療従事者の曝露対策について全く無知でした。今回、化学療法に用いた針をジプロックに入れ、その経緯で針刺し事故の相談を受けたので、調べてみた。 「見てわかるがん薬物療法における曝露対策」(医学書院)によると、「調整に使用したHD(hazardous drugs)の入っていたバイアルやアンプル、注射器や注射針、PPEなど:ジッパー付きプラスチックバッグに入れ、蓋付きの感染性廃棄物容器に入れる」とある。ただし、根拠となる文献は引用されていない。調剤に使用するものがなぜ「感染性廃棄物」なのかも分からない。 「がん薬物療法における曝露対策合同ガイドライン2015年版」(日本がん看護学会・日本臨床腫瘍学会・日本臨床腫瘍薬学会)によると、「HDの調整・投与過程で発生したアンプルやバイアル、注射器や注射針、使用済みの輸液バッグや点滴チューブ、安全キャビネット内で使用した手袋など、高濃度のHDを含む化膿性のある廃棄物は、封じ込めのためにジッパー付きプラスチックバッグに入れてから、HD専用の廃棄容器に廃棄する」とある。そして引用文献としてAmerican Society o...