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在宅医療×EBMのケーススタディ

オピニオン 2016年6月2日 (木)  桑原 秀徳(病院薬剤師)

在宅医療にエビデンスを生かす――。一見、ハードルが高そうに思えますがそんなことはありません。何より、エビデンスを活用することで薬剤師はもっと確信を持って主体的に在宅に取り組めるはずです。本連載では、病院薬剤師として在宅医療に携わる桑原秀徳氏に、在宅におけるエビデンスの活用法についてうかがいます。最終回となる今回は「これからの在宅とEBM」についてのお話です。 自ら意識してエビデンスに触れよう ここまでは主に一つのエビデンス(臨床医学論文)に注目して、薬剤師として在宅の現場にどう生かすことができるか、その考え方や実践の一部を紹介してきました。 今回は最終回として、一つのテーマで相反する結果を示す二つの論文を示して、そこから何を学べるかを一緒に考えてみましょう。結果が相反するエビデンスが存在するとして、何もしていなくても自然に耳に届くのはその片方だけということがほとんどです(「薬が効く」という話ならMRさんが進んで教えてくれるでしょう)。ゆえに、私たちは自ら意識してエビデンスを求め、学んでいく必要があります。 その具体的な方法はまた別の機会にして、早速今回も仮想シナリオから始めて、エビデン...