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抜管時過失で1億2000万賠償、神戸地裁判決を詳報

レポート 2016年6月12日 (日)  高橋直純(m3.com編集部)

神戸市中央区の兵庫県災害医療センター(医療センター)で2008年に起きた抜管時の治療ミスによって重い障害が残ったとして、植物状態になった女性(当時34歳)が同センターを運営する日本赤十字社 と設置者の兵庫県に損害賠償を求めた訴訟で、神戸地裁は今年3月29日、同社に約1億2100万円の支払いを命じた。 地裁は「医師の注意義務違反と因果関係が認められる」と判断したが、日赤は「原審判決には実際に行われた医療行為が水準以上であったにも関わらず、軽微な逸脱や不備があったことを捉えて過失を認定したこと、即ち医療水準の認定を誤った違法及び因果関係の存否について誤った判断をした違法があると考えている」として控訴しており、6月から大阪高裁で第二審が始まる。 地裁判決を改めて詳報する。 ■事案の概要 原告は当時34歳の女性で、現在は植物状態に陥っている。原告の父が成年後見人、法定代理人となっている。女性は2008年3月21日に風邪薬を大量に服用し、意識不明の状態で発見された。女性は救急搬送された後、3次救急病院である医療センターに転送され、人工呼吸器につながれた。5日後の3月26日、女性の容体が回復したと...