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“事故調”開始から7カ月、「光と影」

レポート 2016年6月4日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

東京都で開催された第14回日本臨床リスクマネジメント学会・学術集会の5月29日のシンポジウム「医療事故調査制度 - 改正医療法施行後の課題」で、2015年10月からスタートした同制度について医療機関での対応、患者・家族側への影響などについて、6人のシンポジストが講演した。 医療事故調査制度には「光と影」がある――。こうコメントしたのが、順天堂大学総合診療科・病院管理学教授で、東京都医師会理事の小林弘幸氏だ。「光」として挙げたのが、予期しない事故を検証するための全国統一の制度が誕生し、医療安全の向上につなげる仕組みができ、医療者の医療事故に対する意識や再発防止への意欲が高まってきたことだ。一方で「影」として、制度の対象となる事故が、医療事故調査支援センターに適切に報告されていない点を挙げた。遺族の被害者意識が強いという理由など、報告対象の要件を満たさないものも報告されているという。他のシンポジストからも、センターへの事故報告や院内調査の在り方などについて、制度運用の難しさがうかがわれる発言が相次いだ。 「今の報告件数、ルール通りの判断か」 本学会・学術集会の会長である東京医科大学医療の質...