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検察側指摘以外にも改ざん症例、ノバ社の分析

レポート 2016年6月9日 (木)  高橋直純(m3.com編集部)

ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員とノバ社に対する第27回公判が、6月8日に東京地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれ、ノバ社に所属する循環器内科の医師が独自の分析結果を証言。KHS(Kyoto HEART Study)において、検察側が改ざんがあったとする45症例以外にも、京都府立医大の登録症例9例でカルテとweb入力データに違いがあったと説明した。ノバ社側は、本件の問題を「周囲の医師がさまざまな事情で問題行為に及んだことの総和」と主張しており、検察側が指摘する以外にも問題がある研究だったと主張する意図があるとみられる。 KHSのCCB(カルシウム拮抗薬)論文の引用回数は、2015年5月時点で4回にとどまることも証言された。 ノバ社グローバルチームの医師が分析 証人として出廷したのは、ノバ社に所属する循環器内科の医師(以下、ノバ社医師)。1996年に北海道大学医学部を卒業後、国内の病院での臨床経験が約10年にあるほか、米ハーバード大学関連病院で研究業務に従事した経歴を持...