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医学部の偏差値上昇、二つの理由 - 北村聖・東大医学教育国際研究センター教授に聞く◆Vol.1

インタビュー 2016年6月14日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

『週刊ダイヤモンド』6月18日号の第1特集は「医学部&医者」。同誌とのコラボ企画で、東京大学医学教育国際研究センター教授を務める北村聖氏にインタビューした。同特集では、過熱する医学部入試の現状などを伝えているが、優れた臨床医や研究医になるためには別の素養も必要。受験生が考える医師と、現場の医師あるいは大学教員が求める医学生、医師像の間にギャップはないのだろうか。最近の医学生の傾向に変化があるのか、大学側はどんな学生に入学してもらいたいと考えているのか……。東大の現状も踏まえつつ、北村氏にお聞きした(2016年5月31日にインタビュー。計4回の連載)。 ――最近の医学部入試の偏差値は上昇傾向にあります。その理由は何だとお考えでしょうか。 理系でも、理学部、工学部、農学部など他にもある中で、なぜ皆が医師になりたがるのか。なぜ親は子供に医師になることを進めるのか。私は主に二つの理由があると思います。 確かに医師は、安定している職業。大企業に就職しても、最近の東芝やシャープ、東京電力などを見れば分かるように、安定はしていない。IT系企業も、当たれば一生遊んで暮らせるけれども、安定かと言えば微妙...