オーストラリアの薬局解体新書~日本の保険薬局の今後を考える~
オピニオン
2016年6月23日 (木)
藤田健二
創薬研究員、薬局薬剤師、学習支援・薬局研究部門のマネジャーを経て、シドニー大学大学院で薬学博士号の取得を目指す藤田健二先生に、オーストラリアの医療制度および薬局実務を読み解きながら、今後の日本の保険薬局のあり方について考察していただく本連載。第7回は、「インフルエンザ予防接種率向上に向けた薬局の取り組み(The Queensland Pharmacist Immunisation Pilot)」についてお話しいただきます。 1. インフルエンザ予防接種に関する実情と課題 オーストラリアでは政府主導の予防接種プログラムが1920年代に導入されて以降、現在では16疾患に対する予防接種が小児や高齢者など特定の対象者に無料で実施されています。その中でも、インフルエンザの予防接種は、生後6ヶ月以上の全国民に推奨されており、下記項目の該当者は、無料で受けることができます。 65歳以上の国民 妊婦 生後6ヶ月から5歳未満のアボリジニおよびトレス海峡諸島民 15歳以上のアボリジニおよびトレス海峡諸島民 生後6ヶ月以上で、重症喘息、肺または心疾患、糖尿病を有している患者、免疫能の低い患者など、インフルエ...
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