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オーストラリアの薬局解体新書~日本の保険薬局の今後を考える~

オピニオン 2016年6月24日 (金) 

創薬研究員、薬局薬剤師、学習支援・薬局研究部門のマネジャーを経て、シドニー大学大学院で薬学博士号の取得を目指す藤田健二先生に、オーストラリアの医療制度および薬局実務を読み解きながら、今後の日本の保険薬局のあり方について考察していただく本連載。第8回は、「薬局業界の規制緩和」についてお話しいただきます。 1.薬局の開局規制 現在、オーストラリア国内には、約5240店舗の薬局が存在しています。薬局の開局には下記のような規制があり、薬局数やロケーションは各州がコントロールしています。 薬局の経営者は薬剤師であること 1人の経営者が保有できる薬局数は5店舗まで(上限は州によって異なる) 最寄りの薬局から1.5km(都市部)~10km(地方)以上離れていること スーパーマーケットの店内または直結した場所ではないこと フランチャイズの事業形態は認められているため、加盟店として同じ看板を掲げながら個人事業主として薬局を経営することは可能です。しかし、上記の開局規制があるため、フランチャイズ展開を進める大手薬局であっても全体の1割未満(計300店舗)に留まっています。加えて、医薬品の共同購買を行う団体...