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「日本の臨床研究は明治時代」、永井自治医大学長

レポート 2016年7月18日 (月)  高橋直純(m3.com編集)

臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)が7月16日に開催した夏季セミナーで、自治医科大学学長の永井良三氏は「日本の医薬品開発と臨床研究の課題」として講演。日本循環器学会代表理事を務めていた時期に対応に当たったKHS(Kyoto Heart Study)問題について「エネルギーや人員を動員し、学会としてやれる限界」で対応したと振り返った。臨床研究の体制について、「日本はまだ明治10年か15年ぐらいの段階にある」と指摘。医療費の1%を研究に回すように提案した。 永井氏は、KHSをはじめ、ノバルティスファーマ社が関連した降圧剤「ディオバン」に関する一連の医師主導臨床研究に疑惑が生じた2012年当時に日本循環器学会の代表理事を務めていた。JHS(Jikei Heart Study)については、「大きな違和感を覚えていた。望月先生(元東京慈恵会医科大学教授の望月正武氏)の講演を聞いて、どういう間違いがあると、こういうことが起こるのかと感じたことがある」と振り返った。「心不全による入院」といったソフトエンドポイントが採用されたことが、有意差が付いた原因と分析した後に「それだけでなかったことが明...