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「医療と教育」、人口の定住に必須

レポート 2016年7月29日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が、広島県神石高原町で、「ピースワンコ事業」を展開、「神石高原ティアガルテン」の運営にも携わる中で、「医療」に注目したのは、主に二つの理由がある(PWJの該当などは、Vol.1を参照)。 一つは、緊急人道支援における医療の担い手養成だ。災害時などでまず重要となるのが、ロジスティクス。移動手段、通信手段、物資の搬送手段などが無ければ、いくら医師がいても医療支援はできない。PWJは長年のノウハウを蓄積し、非常時に迅速にロジスティクスを展開できる体制が整っている。一方で、初期の傷病への対応、避難所などでの感染症対策・サーベイランスなど、医療支援に従事するスタッフは手薄だった。緊急人道支援において、医療支援の核となる人材を養成したいという考えが、かねてからあった。 神石高原町の鈴木クリニック院長の鈴木強氏。 もう一つは、高齢社会における山間部、島しょ部など医療過疎対策のモデルの構築だ。神石高原町の人口は、年々減少し、約9600人、高齢化率は約45%と高い。周囲を山々に囲まれた典型的な過疎地だが、「神石高原ティアガルテン」を中心に、観光などによる地域再...