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群大事故調、「医師の責任追及」から「組織の問題」に変化

レポート 2016年7月31日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

「計35回の会議以外にも、昼夜を問わず、各委員が報告書の内容に手を入れて、共有するやり方で進めた。私が海外出張の時は、Skypeで報告書を読み合わせるなどした。結局、210時間以上に及ぶ審議を行い、長い時は2日間連続の委員会も開催している」 7月30日に公表された、群馬大学医学部附属病院の肝臓手術の死亡事故に関する外部委員会の記者会見の冒頭、委員長の上田裕一氏(奈良県総合医療センター総長)が言及したのは、報告書作成のプロセスや考え方だ。3時間に及んだ会見のうち、約2時間は報告書内容の説明に充てられた(報告書は、群大のホームページ)。 群馬大学医学部附属病院医療事故調査委員会の委員長を務めた、上田裕一氏。 報告書の内容は、群大病院が、院内の委員に外部委員を交えて調査を行い、2015年3月に公表した報告書(以下、前回報告書)とは大きく異なる(今回の報告書は『死亡事故の背景、「手術数の限界を超え、悪循環」』を参照。)。前回報告書では、群大旧第二外科の執刀医の技量を問題視する箇所が目立った。これに対し、今回報告書は、死亡事故の続発は、同科と群大病院の診療および安全管理の体制という組織上の問題が...