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死亡事故の背景、「手術数の限界を超え、悪循環」

レポート 2016年7月31日 (日)  高橋直純(m3.com編集部)

群馬大学医学部付属病院で腹腔鏡手術を受けた患者8人が死亡した問題を受けて、同大が新たに設置した外部委員による「群馬大学医学部附属病院医療事故調査委員会」(委員長:上田裕一・奈良県総合医療センター総長)は7月30日、最終報告書を群馬大学学長に手交し、記者会見を開いた(報告書は、群大のホームページ)。 2015年3月に公表された院内主体の調査報告書では「死亡8例全てで過失があった」(後に、「過失」の表現削除)と分析するなど、執刀医個人や、旧第二外科の肝胆膵外科チームの問題点を指摘する面が強かったが、新たな報告書では、「手術数拡大が院是」という病院の風潮や過重な勤務体制、旧第二外科と旧第一外科の連携不足など病院全体の在り方について議論を重ねた。群大病院の診療体制を「手術数の限界を超えたことによる悪循環そのもの」と指摘した。今回の調査では、開腹手術肝切除術後の死亡10例を含め、18例を対象とした。 当日の会見終了後には、遺族や群大病院被害対策弁護団も会見を開いた(『群大の被害者弁護団「執刀医への刑事告訴を検討」』を参照)。群大は8月2日に改めて会見を開き、報告書を受けての対応を説明する。 平塚...