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「適格性疑われる医師のチェック機構、働かず」

レポート 2016年8月2日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

「ガバナンスの不備があったところに、適格性が疑われる医師が存在した。ガバナンス不備のために、普通は働くはずのチェック機構が働かず、極めて属人的な運営が行われていた」 群馬大学は8月2日、都内で記者会見を開き、同大医学部附属病院改革委員会の最終提言を公表、その席上、同委員会委員長を務めた木村孟氏(大学評価・学位授与機構顧問、元東京工業大学学長)はこう述べ、腹腔鏡下および開腹の肝切除術で死亡事故が相次いだ事故の背景には、群大病院のガバナンスの不備があったことを問題視した。 最終提言を、群馬大学学長の平塚浩士氏(左)に渡す、木村孟氏(右)。 「患者中心の医療がなされていなかったことが、医療事故が相次いだ根底にある。その一番の理由は、病院としての組織体制がほとんどできていなかったこと」と木村氏は問題視し、第一外科と第二外科というナンバー外科の二つの組織が独立に運営されていた点に最もよく現れているとした。「同じ(消化器系の)医療をやっていたにもかかわらず、相互のコミュニケーションがなかった」(木村氏)。木村氏は、病院長や診療科長、さらに学長も含めて、「幹部のリーダーシップが欠けていた」とも指摘。...