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地域包括ケアを破綻させる論拠不在の経団連の主張に反論

オピニオン 2016年8月10日 (水)  桑島政臣(神奈川県保険医協会政策部長)

社会保障審議会医療保険部会は7月14日、高齢者の患者負担を議論。75歳以上の後期高齢者への2割負担導入(現在は1割負担)、70歳以上の高齢者の高額療養費制度(=患者負担の上限)の外来特例撤廃の主張が、経団連からの委員により、導入根拠も示されず主張された。席上、低所得者への配慮など慎重論も出されているが、次年度の制度改定、次期通常国会への法案提出が既に想定されている。われわれは、国民医療を守るため導入に反対するとともに、治療を阻害する患者負担の解消へと方向転換することを強く求める。 ◆事実無根、外来特例で頻回受診は起きていないし、兆しもない 医療保険部会では経団連で医療・介護改革部会長を務める望月篤委員(大和証券常務執行役員)は、70歳以上の高額療養費制度(患者負担上限)が外来特例により70歳未満と異なり、外来負担が低く抑えられているため、“頻回受診を招く懸念もある”とし外来特例の廃止が妥当と主張。また75歳以上の後期高齢者の患者2割負担の導入について、「引き上げは避けられない」と、いずれも何ら根拠提示もなく、議論を先導した。 外来特例とは、老人保健制度(現:後期高齢者医療制度)で対象年...