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57例の「不存在」カルテが現存、検察が謝罪

レポート 2016年8月19日 (金)  高橋直純(m3.com編集部)

ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員とノバ社に対する第34回公判が、8月18日に東京地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれ、検察側が「不存在」などとしてきたカルテのうち計57例が現存していたことが明らかになった。 KHS(Kyoto Heart Study)の研究当時、元京都府立医大教授の松原弘明氏の教室に所属し、事務局を務めていた男性医師Aが、2月に 続いて証人として再出廷し、エンドポイント委員会の判定資料や解析用データの作成、バルサルタン(ディオバン)とCa拮抗薬の併用効果を調べた CCB論文の群分けや解析などへの関与を改めて否定した。白橋伸雄被告の証言と真っ向から食い違っており、今後、裁判所や弁護側反対尋問でどちらの証言が正しいかを検証していくことになる。 「不存在」のカルテが見つかる この日の公判の冒頭では、KHSで京都府立医大病院でで登録された310例のうち、検察側がこれまでカルテが「不存在」などとしていた計57例について、実存していたことが明らかになった。検察側...