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専門医の必要数、タブー視せず議論を - 尾身茂・JCHO理事長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2016年8月22日 (月)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

2017年度からの実施が「1年延期」となった新専門医制度。その最終判断がなされたのは、7月20日の日本専門医機構の「専門医研修プログラムと地域医療にかかわる新たな検討委員会」と、その後に開催された理事会だ(『新専門医制度、全19領域とも「1年延期」へ』を参照)。同検討会で、各基本診療領域の代表に加え、出席したのが、JCHO(独立行政法人地域医療推進機構)理事長の尾身茂氏。尾身氏は、元WHO(世界保健機関)の西太平洋地域事務局事務局長であり、公衆衛生の立場から「新専門医制度についての提案」を行った。その内容を踏まえつつ、専門医制度をめぐる考えをお聞きした(2016年8月5日にインタビュー。計4回の連載)。 ――先生は、新専門医制度をめぐる動きについて、どう捉え、見ておられたのでしょうか。 新専門医制度に対して私は、一人の医師として、また公的病院であるJCHOの理事長として、さらにWHOでも仕事をしていたので他の国と比較するという、三つの視点から関心を持っていました。JCHOの全国57病院をはじめ、医療の現場から新専門医制度に関する懸念は耳にしていましたが、JCHOの病院のためというより、...