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「大病院と中小病院」の偏在にも留意 - 尾身茂・JCHO理事長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2016年8月25日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――7月20日の日本専門医機構の検討会で提案した、専門医制度に関する「基本的な考え」の(2)として、医師の「地理的偏在」の解消を挙げています。 尾身茂氏は、関係者間の”綱引き“が新専門医制度の混乱の一因と見る。 これは専門研修後の話です。診療科の偏在については、「研修枠」の考えで徐々に改善されます。しかし、専門研修を終えた医師が、どの地域で働くか、つまり「地理的偏在」については、専門医制度の議論の”枠外”の話であり、別途議論する必要があります。 ――医師の地域偏在は、専門医制度だけで解決できる問題ではない。 その通りです。既に幾つかの場で議論が始まっています(『「医師の目標値」、地域別に医療計画で設定へ』などを参照)。 ――「基本的な考え」の(3)の中で、専門医とは何かにも触れており、「専門研修では、各診療科における標準的な医師の養成が求められている。各診療領域ではさらに細分化された高度な専門教育(サブスペシャルティ)が予定されていることを考えれば、専門研修には、地域の中小医療機関も積極的に参加することが求められる」とまとめています。 厚労省の「専門医の在り方に関する検討会」の2013...