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医師養成のグランドデザイン考える好機 - 尾身茂・JCHO理事長に聞く◆Vol.4

インタビュー 2016年9月4日 (日)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――7月20日の日本専門医機構の「専門医研修プログラムと地域医療にかかわる新たな検討委員会」では、尾身先生は「7つの提案」をしています(文末参照)。その中で、「日本専門医機構が、与えられたミッションを果たすためには、組織の中立性を損なわない形での財源の確保、および事務局機能のさらなる強化が求められる」と提言しています。 尾身茂氏は、臨床系のみではなく、基礎や社会医学系に進む医師養成の在り方も併せて検討する必要性を指摘。 これは大きな組織を作るというより、しっかりとした議論ができるための必要な機能を持つという意味です。 ――最後にお聞きしますが、尾身先生の専門である公衆衛生、あるいは基礎研究に進む医師にとっては、今後、どんなキャリアが想定されますか。 確かに今の議論は、臨床の道に進む医師の議論です。医学部を卒業した時点では、「医師の卵」にすぎません。国民の負託に応え、医学技術の進歩、あるいは日本の医療のために本当に役に立つプロを育てていく必要があり、臨床、行政も含めた公衆衛生、そして基礎研究という三つの分野の医師の養成が求められます。公衆衛生や基礎研究に従事する医師をいかに育てるかについ...