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最大の懸念、「心臓外科の担い手の減少」◆Vol.2

スペシャル企画 2016年9月2日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

――心臓外科を含め、外科全般について、低侵襲化が進み、外科の領域が狭まる傾向にあると指摘する北村氏。 カテーテルが心臓医療に導入された当初は、私たち心臓外科医が、カテーテル検査と外科的手術の両方ともやっていた。それはいざという時に、すぐに外科的手術に切り替えられるようにするためも有効。しかし、次第にカテーテルを専門に扱う内科系医師が出てきて、冠動脈のステント留置は、今は内科系の医師が行う。ステントグラフトも今は主に外科医がやっているが、次第に内科医や放射線科医の中からIVR (Interventional Radiology)をやる医師が増えてくるだろう。 先天性心疾患の中でも、単純な心房中隔欠損とか心室中隔欠損などは、小児循環器内科医がカテーテルで低侵襲的に治療するようになってきた。WPW症候群や弁膜症も昔は全て手術をしていたが、今はカテーテルアブレーション、あるいはTAVI(経カテーテル大動脈弁治療)が登場し、まだ今は手術とカテーテル治療の両方が行われている時代だが、将来は高齢社会が進み、カテーテルによる治療が主流になるだろう。 またチーム医療の重要性が指摘される中、外科治療とカテ...