1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「北村、普通の心臓外科やれ」に不満◆Vol.7

「北村、普通の心臓外科やれ」に不満◆Vol.7

スペシャル企画 2016年9月7日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

――心臓外科医として有名な北村氏だが、実はインターン修了後、まず入局したのは内科だった。 インターン時代に、「北村君、偉いねんな」と声をかけられたのが、第二内科の先生。今も一緒だと思うけれど、自分の研究室に人手を増やすために、皆が声をかけるわけ。頻繁に夕食に連れて行かれた。何度も「来い来い、来い来い」と言われて、インターン修了後に入局したのは第二内科。 けれども、すぐに「内科っていうのは、外ばっかり診とるな」と思うようになった。当時、臨床で可能な検査は、血液検査とレントゲン、あと聴診をやるくらい。内視鏡などはやっていなかった。中心は、診断学。だから誤診が極めて多くて、東大の冲中先生が誤診率を発表したことが話題になるような時代だった(編集部注:冲中重雄氏は、東大名誉教授で、1963年東大退官時の最終講義で、自身の教授在任中の誤診率を「14.2%」と発表したことで有名)。 外科医として活躍した北村氏だが、最初は内科に入局した(撮影:近藤宏樹) 一方、外科教室をのぞいてみると、手術でお腹を開け、見て、さわって確かめていた。「外科こそが、内側を診とるんやな」という気がしてね。中を診て、どんな病...