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誤嚥死亡で和解金600万、神戸地裁での双方の主張を詳報

レポート 2016年9月10日 (土)  高橋直純(m3.com編集部)

神戸市内の病院に入院していた認知症の女性(当時74歳)がバナナの誤嚥をきっかけで死亡したとして、次女が770万円の慰謝料を求めて病院を運営する医療法人に損害賠償を求めていた訴訟は、8月12日に神戸地裁(倉地康弘裁判長)で和解が成立した。医療法人が600万円を支払う内容で、おおむね患者側の主張を認めたとみられる。争点になったのは誤嚥発生時の看護師の対応。病院側、患者側で大きく主張が異なっていた。 ※以下の内容は、原告(患者側)、被告(医療法人)のそれぞれの主張を、裁判所に出した訴状、答弁書、準備書面などからまとめた要旨であり、裁判所が事実として認定したものではない。 ■事案の概要 亡くなったのはアルツハイマー型認知症を患っていた74歳の女性患者。特別養護老人ホームに入所し介護を受けていたが、体調が悪化し入院となった。入院約2週間後の朝食で出たバナナを誤嚥し窒息。循環器不全によって死亡した。女性の次女が2014年8月25日に770万円の慰謝料を求めて神戸地裁に提訴。2016年8月12日に病院側が和解金600万円を支払うことで和解が成立した。 【原告側の主張】 ■事案発生までの状況 老人ホー...