東大、医学系4教授、11の論文不正疑惑を予備調査
レポート
2016年9月1日 (木)
橋本佳子(m3.com編集長)
東京大学は、医学系教授が主催する4研究室の計11の論文について、グラフに不自然な点があるなどとした研究不正行為を質す告発文を受け、その真偽を明らかにする目的で、同大の行動規範委員会が8月22日から予備調査を開始したことが、このほど分かった。11の論文は、2003年から2015年の間に掲載され、掲載誌は、NatureやCell、NEJMなどのトップジャーナルが多い。 告発文は今年8月14日付けで、東大本部に郵送で到着したのは8月17日、その後、22日付けで受理した。東大の学則では受理日から原則として30日以内に調査を行い、本調査に入るか否かを決定する。 告発文は匿名で、本文は12ページ弱にわたる。加えて、11の各論文のグラフなどの問題点を指摘した資料(52ページ)、各論文の研究資金リストを付けている。不自然なエラーバーの表記などグラフの問題のほか、データの存在そのものが疑わしいものがあり、「我々自身も研究者であり、(中略)常習性、頻度、公正性、論文の与える影響の深刻さ等を鑑み、もはや看過すべきではない」との結論に至ったという。 告発文ではこれらの論文を対象とした理由として、(1)研究者の...
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