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「かかりつけ医以外」への受診時定額負担の導入に反対

オピニオン 2016年9月3日 (土)  桑島政臣(神奈川県保険医協会政策部長)

「かかりつけ医以外を受診した場合における定額負担の導入」の結論が、社会保障審議会医療保険部会で検討され2016年末までに出される。これは政府の「経済・財政再生計画 改革工程表」に盛られ、今年1月20日の医療保険部会でその方向性が確認されたものである。5月26日の同部会には経団連の委員から検討要望が出され、参院選挙後7月27日には自民党の小委員会で、受診時定額負担を「制度化すべき」とされている。事態の急転に8月3日、日医の横倉会長は記者会見で、この受診時定負担に導入反対と、強い懸念を示している。われわれは、受診時定額負担は、患者負担は3割が限度とした健保法附則違反であり、受診抑制を深刻化させ、皆保険を弱体化させると、これまでも警鐘を鳴らしてきた。われわれはこの導入に強く反対する。 ◆変転する定額負担の導入理由 「かかりつけ医」とは「地域包括診療料・加算」算定施設のこと 受診時定額負担の導入は、これまでも議論、取り沙汰されてきた。それは(1)難病公費医療の対象拡大の財源として、また(2)高額療養費の負担上限の引き下げ(患者負担軽減)の財源として、さらには(3)外来受診適正化のため、あるいは...