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主治医へのヒアリング、1回5分のみ◆Vol.3

スペシャル企画 2016年9月28日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

「2回目の吸引分娩が失敗した12時22分頃には、手術室に帝王切開の準備を依頼しており、その後の吸引は、同41分に手術室の準備完了の連絡を待つまでに行われたものであって、吸引分娩に過度にこだわりすぎていて、その結果、帝王切開への切り替え時期が遅れたものとも認められない。この点、被控訴人病院の医療事故調査委員会は、上記遅れを指摘しているが、前提となる事実認定に誤りがあり、指摘は適切ではない」 広島高裁判決で、こう指摘された島根大病院の「医療事故調査委員会」の報告書。島根大病院は、2006年9月7日の事故後、「医療問題専門部会」や「特殊事例検討委員会」を開催し、本件事故について検討し、「医療事故調査委員会」を立ち上げて詳しく調査することを決定、2007年8月9日に報告書をまとめている(経過は、『島根大“事故調”、患者と医師の悲劇◆Vol.1』を参照)。 「医療事故調査委員会」の委員は7人。島根大病院の当時の副院長2人(うち一人が委員長を務める)、法医学教授、副看護部長のほか、外部委員として弁護士1人と産婦人科医2人、計3人が加わった。 島根大“事故調”事件には、主治医だった産婦人科医、当時の...