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裁判で「事故調報告書」を否定◆Vol.4

スペシャル企画 2016年10月12日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

「2008年2月6日付書面で、被告病院に対して、損害賠償金を請求した。被告病院は、平成20年3月28日付書面において、原告ら代理人と被告病院の顧問弁護士の話し合いをしたいと述べるものの、その後も、具体的提案はなかった。(中略)これに対して、被告病院代理人は、民事調停を提案したのみであった。原告らとしては、被告病院が過失を認めていると受け止めていたことから、当初、訴訟提起までは及ばなくても示談等による早期解決ができることを望んでいたが、被告病院の回答には具体性もなく、誠意が感じられないことから、やむを得ず、今回の訴訟提起に至った」 患者側が松江地裁に提訴したのは、2009年7月24日。その訴状には、提訴に至った理由がこう記されており、提訴に至る前に示談交渉が行われたものの、それが決裂したことが分かる。 その後、弁論準備手続きや口頭弁論(判決言い渡しを含めて6回)を経て、松江地裁が判決を言い渡したのは、2014年2月24日。原告である患者側の請求は棄却された。 裁判を通じて、島根大側が証拠として提出したのは、2007年1月5日に病院長に提出された「特殊事例検討委員会」の報告書、2007年8...