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帰国後、日本でも冠動脈バイパス手術を開始◆Vol.11

スペシャル企画 2016年9月11日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

――留学した1969年は、まさにベトナム戦争の最中だった。 アメリカに留学した頃は、まだ人種差別があった時代。黒人用のバスと白人用のバスが、別々になっていた。日本人は、白人用のバスに乗らせてもらったけれど、乗りにくかったね。 留学時代、乗っていたアメ車。8気筒の中古車を買った(写真提供:北村氏) ある時、飛行場に行ったら、金持ちの若者は女の子と一緒にスキーの道具を持って派手なセーター来て、コロラド州に遊びに行くと言っていた。その同じ飛行場で、同じ年頃の軍服姿の若者は飛行機を待っている。「どこに行くのか?」と聞くと、「ベトナム行く」と言う。徴兵制ではない時代なので、「なぜ行くのか?」と尋ねると、学校に行くためだという。一定期間の任務を終了すれば、学校に行けるだけのお金が貯まる。死なずに無事に帰国できればいいけれど、と考えつつ、「アメリカっておかしな国やな」と思ったね。つまりは「金の力の世界」。今の日本がそうなってきている。 ――確かに多忙だったが、留学3年目頃になると、生活にも余裕も出てきた。 アメリカの外科医は、すごくお金持ちの時代でもあった。ロサンゼルスの中でも、ビバリーヒルズやロデ...