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教授就任から3年、当直もこなす日々◆Vol.13

スペシャル企画 2016年9月13日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

――新設の診療科は、医師や看護師の採用、ハード面の準備までさまざまな苦労が伴った。 まだ若く、負けん気も強かったから、やれたのだと思う。私は阪大出身なので、奈良の病院にはあまり知り合いがいない。そのため大阪から紹介患者を受け入れようとしたが、「大阪の患者なんか、連れてくるな」と怒られた。「奈良県立医科大学や。県のためだけにやってくれたらええんや。他の患者を入れて、忙しいせんといてくれ」と。「心臓外科に慣れている看護師さんもおらんから、先生、自分で探してきてくれ」とも言われた。要するに、県立だから、できるだけ楽なように、という感じだった。 医師は、阪大第一外科の当時の教授だった川島康生先生から、「お前、連れていきたい人を、連れていっていいい」と言ってもらった。奈良医大に新しい病棟ができる直前に、助教授1人(大山朝賢君)、講師1人(河内寛治君)、助手3人のポストが空いていたので、阪大から計5人来てもらった。 阪大時代の知り合いの看護師さんにも声をかけ、「奈良に来てくれへんか」とお願いしたけれど、嫌がったね。「奈良は田舎だから」と。それでも、地元などから採用し、その中で次第に「面白そうやな」...