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ブラックジャックが手掛ける手術、「KITAMURA Operation」◆Vol.15

スペシャル企画 2016年9月15日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

――川崎病に対する小児冠動脈バイパス手術を世界で初めて実施。しかし、時間の経過とともに静脈グラフトが詰まってくることが分かり、改良を重ねた。それが「KITAMURA Operation」になった。 川崎病に対する冠動脈バイパス手術は、実は手塚治虫の漫画、ブラックジャックのモデルになっている。「川崎病は、最近まで手術でも治療は無理でした。だがやってみよう」というくだりがある。せっかくだから「この治療法を最初にやったのは、K先生です」などと書いてくれたらよかったのに(笑)。手塚治虫は、奈良医大で医学博士を取得しており、親近感を持って見ていたのではないだろうか。 川崎病の冠動脈バイパス手術に対し、足の静脈を使うと詰まるだけでなく、4、5歳の子供の体重は、12~13kgくらいが多い。5年も経てば、身長も相当伸び、体重も結構増える。それに伴い、血管も伸びないと困る。では本当に伸びるのか、それが川崎病に対して最初に手術をした際の疑問だった。足の静脈を使うと伸びるのが遅く、「血管が引っ張られる」ことになるのではないか、内胸動脈であれば、体の成長とともに伸びていくのでは、と考えた。 それで川崎病に対す...