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“名大事件”が群大事故調査の手本 - 上田裕一・群大“事故調”委員長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2016年9月6日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)、高橋直純(m3.com編集部)

昨年来、医療界で関心を集めた群馬大学医学部附属病院の肝切除術に伴う医療事故。7月末に外部委員から成る調査委員会は、執刀医個人に焦点を当てた2015年3月の同大院内調査とは異なり、病院全体の診療体制に問題があるとし、再発防止に向けその改善を求めた(『死亡事故の背景、「手術数の限界を超え、悪循環」』を参照)。 外部調査委員会の委員長を務めたのが、奈良県総合医療センター総長の上田裕一氏。計35回、約210時間に及んだ調査は、上田氏が2002年の名古屋大学教授時代に経験した医療事故調査での考え方がベースになっているという。 群馬大は7月末に執刀医らの懲戒処分を行ったが、「想定していなかった」と語る上田氏。群馬大の事故調査の経緯や基本的考え方を、調査のエピソードも交えつつ伺った(2016年8月26日にインタビュー。計6回の連載)。 名大病院での事故調査で学んだ重要性が、ヒアリング対象者の人権に配慮することだったという。 ――先生は名古屋大学の心臓外科教授を務められていた2002年8月に起きた、腹腔鏡下手術中の大動脈損傷の医療事故調査委員会の委員長を務め、2002年の11月から2007年3月までの...