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群馬大外科医や教授らの処分、想定せず - 上田裕一・群大“事故調”委員長に聞く◆Vol.4

インタビュー 2016年9月16日 (金)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)、高橋直純(m3.com編集部)

――これだけの時間をかけて調査、報告書の作成を行い、先生方としては「事実確認は十分にできた」とお考えなのでしょうか。 群大は執刀医らを処分したら、大学から処分について正式に連絡を受けたことはなく、「我々の報告書に基づいて処分がされたとは考えていない」と上田裕一氏は語る。 事実の確認はできましたが、委員の中には、「まだ足りない」という認識もあります。今回対象としたのは死亡事例のみで、手術の成功事例は検討していません。本来なら、成功例と死亡例の差はどこにあったのかを検討していくことが重要です。 また我々が対象としたのは18症例で、日本外科学会が検討した全ての症例(編集部注:計50症例を検討)を実施したわけではないからです。本来、この委員会がどこまでやらなければいけないかについて、議論したこともあります。 ただ群馬大学長から依頼された外部委員会の役割は、「(腹腔鏡下手術の死亡)8例+(開腹手術の死亡)10例」の検討であり、この業務量を他にも広げるには委員長としても限界がありました。 また「第三者」と言いながら、私が個人的に声をかけた委員で調査したという問題が、もう一つありました。この点に対す...