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奈良医大学長「たまには教授会に出てください」◆Vol.16

スペシャル企画 2016年9月16日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

――今では、冠動脈バイパス手術では、内胸動脈を使うのは当たり前になっているが、北村氏が他に先駆けて実施しても、他の病院では、足の静脈からの切り替えが進まなかった。 ではなぜ私が内胸動脈の手術を成功させることができたのか。それは毎日、熱心に手術をしていたから。奈良医大時代は、いろいろな人から電話がかかってきても、医局の秘書が「手術中です」と答えてばかりいた。あまりに電話に出ないものだから、「いつも手術場にいる、と言われるけれど、ほんまか」と、言われたこともあった(笑)。奈良医大の教授会は木曜日で、木曜日は私の手術日。教授会にも出ずに手術をやっていたら、学長から「たまには教授会に出てください」と言われた。「はい、はい」と言いながら、あまり出なかったけれどね(笑)。 それが変わってきたのは、内胸動脈を使った冠動脈バイパス手術のおかげ。奈良医大の他の先生からは、「先生は看板教授。奈良医大と言えば、北村先生となってしまった」とちょっと悔しがっていた。 奈良医大では、小児科が心臓病を扱っていなかったから、先天性心疾患のカテーテル検査や川崎病の検査なども、全て我々の外科がやっていた。午前中に患者さん...