1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「政令指定都市でも、救命救急センターなし」◆Vol.23

「政令指定都市でも、救命救急センターなし」◆Vol.23

スペシャル企画 2016年9月23日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

――2008年3月まで国立循環器病センター総長を務めた後、大阪府立病院機構や神戸市立中央市民病院の顧問のほか、市立堺病院(現堺市立総合医療センター)の顧問を務めた。 旧市立堺病院では、2008年4月に堺市医療監、2012年に堺市立病院機構の理事長になり、第1期3年を務め、2015年から第2期に入り、1年後の2016年3月に満期退職した。合計8年間堺市で働いたことになる。 全国に20数カ所ある政令指定都市の中で唯一、3次救命救急センターを持っていなかったのが、堺市。その上、堺市には、大学病院や国立病院などもないため、市立堺病院は、南大阪の医療の拠点であるべきだった。しかし、救命救急センターの指定も受けていなければ、地域医療支援病院でもなかった。私が最初に行った時には、がんに熱心な先生はいたけれど、救急医療には消極的。当時の木原市長からは「政令指定都市にふさわしい3次救命救急を設立するのに力を貸してほしい」と言われていた。ちょうど国が地域医療再生基金を出すことになっていて、その活用を検討した。大阪府の高杉元副知事が私の大学の後輩で、彼とも相談して、大阪府の医療に関する報告書に、「堺市の救命...