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「専門医と診療報酬を連動」はとん挫◆Vol.27

スペシャル企画 2016年9月27日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

――2005年からの日本専門医認定制機構の代表理事の時代、各学会の専門医制度を標準化するため、厚生労働省に法制化をかけ合ったこともある北村氏だが、構想はとん挫した。 専門医制度を第三者的な立場で運営、認定するためには、医師に対しても、それを納得させるもの、つまりは専門医が得られるものは何かを考えることが必要。法律も、指針もないところで、学会が運営している専門医制度を標準化して第三者的に行うには、何らかのメリットを付けないと難しい。しかし、当時もそして今も、取得を難しくする半面、いまだにメリットが見えない。実は当時、厚労省保険局医療課長から診療報酬と連動させることは可能という話があった。厚労省からは、全専門医に加算を付けるのは無理なので、「優先順位があれば可能」と言われた。優先順位というと私も外科系が先だろうと思った。この頃、社会問題化していた心臓外科。東京女子医大学のほか、東京医科大学の心臓外科でも医療事故が相次いでいた。いずれも特定機能病院の承認取消という事態にまで至っていた。 新聞でも数多く取り上げられ、専門医による手術で医療事故が生じたことから、「名ばかり専門医」などと、新聞でも...