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苦節30年、組織移植が2016年度から保険適用◆Vol.28

スペシャル企画 2016年9月28日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

――専門の心臓外科に関連した公務も多数務めた北村氏。関係学会の代表を務めるなど、医療技術の進歩を制度的に支える仕組み作りに尽力した。 心臓移植や補助人工心臓の導入時期には、厚労省のさまざまな委員会の委員を務めた。代表的なのは、1999年からの公衆衛生審議会・疾病対策部会臓器移植専門部会「レシピエント選択基準作業班(心臓)」、厚生科学審議会先端医療技術評価部会(ヒト組織の移植等への利用のあり方に関する専門委員会)、2001年からの「埋込み型補助人工心臓適正使用のためのガイドライン作成検討委員会」などだ。 2000年代半ばからは、いわゆるドラッグラグ、デバイスラグが問題視され、2006年から、「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」の座長も務めた。ここでは、アメリカのFDA(米医薬食品局)をはじめ、海外で既に承認されている医療機器を早期に導入する仕組みも作った。医療機器の場合、多少改良を加えただけの機器は、治験をやらなくても使える仕組みもあり、これにより承認された機器の事故の発生率は高いという論文もあり、あまり緩和しすぎるのもまた問題だが、日本でも相当に緩和は進んだ。 200...