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外科医に求められる4つの「意」とは?◆Vol.30

スペシャル企画 2016年9月30日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

――技術の習得だけではなく、新しい技術を生み出したり、新規技術の生涯習得を求められるのが外科医。今後の外科医、特に心臓血管外科医に求められる素養は何だと考えているのか。 外科医の素養として必要な四つの「意」を説く北村氏(撮影:近藤宏樹) 心臓外科医と脳神経外科医の違いを垣間見た、こんなエピソードがある。国立循環器病センターの総長時代は、厚労省をはじめ、対外的な仕事も多数していたので、総長室は机の上をはじめ、部屋中が書類の山。書類を片付けてしまうと、その都度、取り出すのが大変だったからだ。いろいろな人が尋ねてくると、必要な書類を「これは医政局の仕事」「これは臓器移植対策室の仕事」などとその中から取り出し、対応していた。「よく書類がどこにあるか、分かりますね」と言われた。 けれども、私の後を継いだ橋本(信夫)先生(2008年4月から2016年1月まで総長)は、机の上には紙を1枚も置かなかった。私と雲泥の差(笑)。この春の橋本先生の退官記念パーティーの時のあいさつで、「僕の部屋の状況を覚えている看護師さんもおられるかもしれません」と切り出したら、看護師さんなどからはウケたね(笑)。二人の総長...