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研修医、非専門医の急性心筋梗塞見落としの責任は?

レポート 2016年10月23日 (日)  高橋直純(m3.com編集部)

長崎市立市民病院(現・長崎みなとメディカルセンター市民病院)で診察に当たった研修医らが適切な診断を行わなかったことが原因で患者女性(死亡時63歳)が直後に死亡したとして、遺族が病院を運営する市立病院機構に約5300万円の損害賠償を求めた訴訟は2016年6月、長崎地裁(田中俊行裁判長)で和解が成立した。病院側が解決金400万円を支払い、遺憾の意を示し、医療安全体制を構築する内容だった。 ポイントとなったのは、診察に当たった研修医、および循環器専門医でない内科医が、結果として急性心筋梗塞の兆候を見逃したことをどのように判断するか。 原告(遺族)、被告(病院側)が裁判に提出した資料から双方の主張を詳報する。 ※以下の内容は、原告、被告が裁判所に出した訴状、答弁書、準備書面などでの主張の要旨であり、裁判所が事実として認定したものではない。 原告側訴状の要旨 原告 死亡した女性の夫と二人の子供 概要 吐き気、胸部不快感、冷汗を訴えて来院した女性(死亡時63歳)について、心電図の異常所見を見落とし、急性冠症候群の発症を疑って循環器専門医に相談したり、入院させて経過観察を行ったりするべき義務を怠り、...