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東大の「患者申出療養」、条件付きで第1例目承認

レポート 2016年9月22日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

厚生労働省の患者申出療養評価会議(座長:福井次矢・聖路加国際病院院長)は、9月21日の第3回会議で、患者申出療養の第1例目を条件付きで承認した。東京大学医学部附属病院が実施施設となる、腹膜播種陽性または腹腔細胞診陽性の胃癌に対する「パクリタキセル腹腔投与および静脈内投与並びにS-1内服併用療法」で、標準治療である「S-1+シスプラチン併用療法」を対照とした第3相試験では有意差は認められなかったものの、有効性が示唆されている(資料は、厚労省のホームページ)。 本併用療法は、先進医療制度下で行われた第3相試験で、適格基準外だった患者からの申出。第3相試験が今年11月に終了するため、同試験の対象となった患者約30人も患者申出療養を利用して、治療を継続できる見通し。 患者申出療養は今年4月からスタートした制度だ。治験あるいは先進医療で行う治療の適格基準外などの患者が、当該治療を希望する場合、その相談を受けた臨床研究中核病院などが作成した書類を基に国に対して申請、一定の審査等を経て承認されれば、「保険外併用療養制度」を活用し、当該治療を受けることが可能になる(『患者申出療養、ハードルは「時間」と...