専門医の役割、「任せる」「邪魔しない」 - 村上智彦・ささえる医療研究所理事長に聞く◆Vol.2
インタビュー
2016年9月30日 (金)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
――最初に受けた化学療法の効果はどうだったのでしょうか。 まず実施したのは、寛解導入療法。しかし、僕の場合、「FLT3 -ITD+」の遺伝子タイプのためか、あまり効かなかった。抗癌剤投与により、普通は癌細胞が叩かれ、正常細胞が増えてくる。しかし、僕の場合、癌細胞だけでなく、正常細胞も戻ってこないくらい叩かれてしまう状態だった。血液内科の主治医は「残念です」と……。サルベージ療法という、もっと強力な治療をやるしかない、と言い、去ってしまったのです。寛解導入療法時、口内炎や下痢はひどかったけれど、ご飯は食べられ、僕の体は意外に抗癌剤に強いので、もっと強い抗癌剤を使って叩くべきだ、というのが主治医の意見だった。 ――結局は、サルベージ療法を受けずに、北大病院に転院された。 ちょうどその頃、医学雑誌で、「FLT3 -ITD+」の急性白血病に特異的に効く薬の治験がアメリカで始まっており、3月から日本でも治験が始まるというニュースを読み、「北大病院でも、やるかもしれない」と聞いた。第3相試験でRCTなので、その薬が使えるのは2分の1の確率ですが、50%くらい寛解すると聞いていたので、「治験に入りた...
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