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「大病院のメリット、改めて実感」 - 村上智彦・ささえる医療研究所理事長に聞く◆Vol.4

インタビュー 2016年10月14日 (金)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――先生のお話をお聞きしていると、救急疾患で、時間を争う処置が必要な疾患に対応できる病院は、2次医療圏単位に必要であっても、急性白血病に代表される専門的な治療については、中途半端な病院は要らないように思います。 急性白血病に限らず、もともとは一つの病気であっても、精神科や皮膚科、歯科による治療が必要だったり、リハビリなどもやらなければいけないことが多い。糖尿病も持っている場合にはその対応も必要。今回の入院を通じて、それぞれについて専門的に対応できる大病院のメリットを改めて感じました。中途半端な規模の病院を残そうとするから、「何ができるのか」となる。普通の生活習慣病の管理だったら、診療所で十分に対応可能。 急性骨髄性白血病は、人口10万人のうち、年間5、6人は発症します。北海道なら、札幌に血液内科を集約するしかないでしょう。他の地域の病院で、血液内科医4、5人を揃えることは難しい。 特に癌が典型ですが、専門的な医療こそ集約化するべきだと、まさに身を持って感じたわけ。「集約化すると不便になる」とか言うけれど、中途半端な病院で、中途半端な医療をやることの“被害”の方がすごく大きい。その代わり...