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群馬大学病院事件を防ぐ:新規診療許可制度私案

オピニオン 2016年10月9日 (日)  小松秀樹(元亀田総合病院副院長)

群馬大学病院事件の第三者調査委員会は、結論部分で、以下の課題を提示した。 「日常診療の中に標準から逸脱した医療が登場した場合、それを早期に発見し、より安全な医療へと是正する自浄的な取り組みをするにはどうすればよいか」 筆者はこのための一つの手段として、新規診療許可制度を提案する。すべてを解決するのは不可能だが、多少なりとも現状を改善できれば幸いである。 新規診療許可制度 新規診療許可制度は、個別病院内で、申請・審査・許可・実施・結果報告を一連の流れとして制度化するものである。うまく機能すれば、新規診療を開始するにあたって、病院管理者は有害事象の総和が大きくなる前に問題を把握できる。より早期に対応することができる。 文末に新規診療許可制度私案を示した。この制度は、医療として有用だと認定されたものを導入するための制度であり、医療としての有用性を検証するものではない。 かつて、ある大学病院で下顎骨が短くなった症例に対し、骨延長術を実施したが、まっすぐな延長器を使用したために失敗した。別の病院で、日本で承認されていない弯曲した延長器を輸入して、自由診療として治療し成功した。これは臨床試験ではな...