1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 70歳以上の負担上限見直し、賛否分かれる、医療保険部会

70歳以上の負担上限見直し、賛否分かれる、医療保険部会

レポート 2016年9月30日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

厚生労働省は、9月29日の社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)に70歳以上の高齢者の高額療養費制度や保険料軽減特例を見直す方向性を提案、保険者の立場の委員を中心に賛成が多かった一方、日本医師会をはじめ、医療者の委員は反対、賛否は分かれた(資料は、厚労省のホームページ)。同省は、次回以降の同部会で詳細な制度変更案を提示、議論を深める方針。現役世代については、2015年1月から高額療養費制度を見直したことから、今回は見直しは行わない予定。 これらの制度改革は、保険財政の厳しさが増す中、世代間の公平性の担保や負担能力に応じた負担の観点から、高齢者にも一定の負担を求めるのが狙い。経済財政諮問会議が2015年12月に決定した「経済・財政再生計画改革工程表」では、「2016年末までに結論を得る」とされている。 高額療養費制度の見直しについては、保険者だけでなく、患者の立場からも、医療保険制度を維持する視点から、低所得者への配慮などを前提に、支持する声が上がった。健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、約3年前に70歳未満の高額療養費制度の見直しを議論した際、「70...