医療機関の「競争」より「協調」、神田厚労省医政局長
レポート
2016年10月9日 (日)
橋本佳子(m3.com編集長)
厚生労働省医政局長の神田裕二氏は、10月8日に熊本市で開催された第58回全日本病院学会の特別講演で、地域医療構想をテーマに講演、構想実現には「腹を割って、本音で話すことが一番大事」と述べ、各地域の関係者が話し合う調整会議のほか、地域医療連携推進法人が一つのツールになるとした。「現実的に検討を始めているところが、既に出てきている」と述べ、事例を紹介、医療機関同士が競争するのではなく、協調していく大切さを説いた。 地域医療連携推進法人は2017年度からスタートする制度で、「岡山大学メディカルセンター」構想が有名だが(『岡山大、6病院束ね連携法人目指す - 森田潔・岡山大学学長に聞く』を参照)、それ以外にも山形県酒田市、鹿児島市などで検討している事例を神田局長は紹介した。 学会開催地である熊本市は2016年4月、大震災に見舞われ、医療機関にも甚大な被害が生じた。診療不能に陥った一つが、熊本市民病院。再建計画は、同病院だけでなく、大学や医師会なども加わり、策定したため、「再編ネットワークの先行例」であるとした。熊本県の地域医療構想を踏まえ、病床は556床から392床に大幅に減少、回復期機能の充...
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