1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. “医療の溝”、熊本地震で生じず、8000人以上が医療支援

“医療の溝”、熊本地震で生じず、8000人以上が医療支援

レポート 2016年10月10日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

10月8日に熊本市で開催された第58回全日本病院学会のシンポジウム「熊本地震と医療体制 県内・県外の動き」で、厚生労働省DMAT事務局次長で、国立病院大阪医療センター救命救急センター医長の若井聡智氏は、「東日本大震災で起きた“医療の溝”は、今回は起きなかった」と述べ、DMATを中心に今年4月の熊本地震に対する医療支援活動を総括した。 国立病院大阪医療センター救命救急センター医長の若井聡智氏 “医療の溝”とは、発災直後の急性期で展開するDMATから、避難所などでの医療救護活動を行うJMATなどへの引き継ぎが、東日本大震災では必ずしもスムーズではなかったことを指す。DMATの活動は、発災からおおむね「48時間以内」を想定していたからだ。東日本大震災後、その在り方を見直し、「他の支援が組織的に行われるまでカバーすることが期待される」との方針を掲げた。「『それはDMATの仕事ではない』と言わず、『全ては被災者のために』という方針で活動するのがDMAT」と若井氏は説明。 熊本地震におけるDMATの活動は、「前震」が起きた4月14日から4月23日までに及び、計508チーム(2196人)が参加した。...